子どもの風邪への抗生物質、やめませんか?風邪への効果と危険性について

 

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子どもが風邪をひいて病院に連れていくと、抗生物質を処方されることってありませんか?その処方、本当に正しいのでしょうか。今、世界的に我々や子ども達の命を脅かす事態が起きようとしています。

こんにちは、理系パパです。

先日、ヒメが風邪をひいて39度台の熱が出ました。病院で風邪薬と一緒に抗生物質が処方されて飲むことになったのですが、この診断、正しいのでしょうか。

 

 

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1 そもそも「風邪」の原因は?

 

風邪、難しい言い方をすると「急性上気道炎」と言います。咳、痰、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、発熱などの症状のことですね。そして、この風邪の原因はほとんど(8~9割)がウイルス感染によるものです。ウイルスの種類は、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス等のほかに、インフルエンザウイルスも含まれますが、細かいウイルスも含めて200種類以上もあると言われています。

そして、一部例外的に「細菌」による感染も風邪症状となります。よく聞かれるのが溶連菌感染症やマイコプラズマなどです。

 

 

2 風邪の一般的な治療

 

前述のように、風邪の原因ウイルスはとても多くて、インフルエンザを除いて「ワクチン」を作ることができません。そもそも、風邪の症状で病院に行っても、どのウイルスが原因かを突き止めることはできません。(厳密に言えば原因ウイルスを分析可能かもしれませんが、そうしているうちに風邪は治ります・・・)

治療としては、結局は「安静にして、水分不足に気をつけて、よく寝ること」これだけです。処方される風邪薬は、つらい症状を緩和するというだけで、風邪を治す(=ウイルスを死滅させる)ものではありません

 

 

3 風邪で処方される抗生物質の害悪

 

bacterium imageそして、風邪薬と一緒によく処方されるのが、抗生物質です。抗生物質は「薬」というよりも、細菌だけを殺す薬剤だと思ってください。「細菌」と「ウイルス」は一緒でしょ、と思うママがいるかもしれませんが、全然違います!繰り返しますが、抗生物質は細菌だけを殺す薬剤で、ウイルスには何の効果もありません!

 

 

風邪の症状で抗生物質が必要な場合

 

抗生物質が有効なのは、風邪の症状でも例外的な「細菌感染」とはっきり分かる場合だけです。主な具体例は、

・簡易検査で溶連菌などの感染がはっきりわかったとき
・血液検査でCRP値と白血球数を見て、細菌性の感染と特定できたとき

です。

わざわざ風邪くらいで血液検査をしなくても、今までの経験として、

「とりあえず抗生物質を飲んでおけばいいんじゃないの?」

と思うママ・パパがいるかもしれません。

それ、危険です!

 

 

抗生物質の怖さ

 

抗生物質自体が怖いのではありません。世界で初めて抗生物質、ペニシリンが発見されて使われるようになってから、その素晴らしい効き目によって、全世界で大量に消費されてきました。

そして抗生物質が使われる度に、「抗生物質の投与からなんとか耐えて生き残った細菌」達だけがどんどん子孫を増やしてきて、結果、抗生物質が効かない耐性菌が今、世界中で増加し続けているのです。

実際、日本の新生児医療の現場でも、低体重で生まれた子が、母親が持っていた耐性菌に出産直後に感染して命を落とす、といった悲しい事態も起こっています。しかもその耐性菌は我々がよく知る「大腸菌」です。たかが大腸菌で命を落とすことにもなるという事です。

また、我々にとっても、治る病気が治らなくなる危険性があります。腎臓の病気の1つ、腎盂腎炎は大腸菌も原因菌となりますが、これが耐性菌が原因となって発症すると命を落としかねません。一説には、日本人の大腸菌の15%程度がすでに耐性菌に変わっているとさえ言われています。

 

 

医療の現場の医師による安易な処方

 

doctor image2014年のAERAから、「医師の意見は真っ二つ 子どもに抗生物質処方するか」という面白い記事がありましたので要約してご紹介します。

新潟大学医歯学総合病院小児科の大石智洋助教が、新潟県内の小児科医に抗生物質の処方についての調査を実施したそうです。169人(うち開業医67人、勤務医98人、記載なし4人)から回答を得て、2009年に発表された結果は、

前日から発熱(38度以上)し、症状から鼻咽頭炎(びいんとうえん)と診断した子どもに抗菌薬を使用するか」の問いに、

 「処方する」 48%
 「処方せずに経過をみる」 47%

また、「処方する」と回答した医師について開業医と勤務医とに分けてみると、

 開業医64%
 勤務医36%

 

 

処方する医者としない医者がきれいに半々分かれるという実態が明らかになりました。しかも、処方するのは開業医が倍近く多いこともわかりました。

 

 

処方される理由

 

上記の記事で大石助教は、「検査の物理的、時間的制約がある中で早期に判断を迫られる医師が、念のためにと処方するケースが考えられます。特に子どもの場合は重症化したときのリスクが高いので、医師が前もって処方する傾向があるのかもしれません」と指摘しています。

また、「親や患者自身が欲する」ということも多いそうです。抗生物質が効くと思いこんでいるのです。風邪は細菌ではなくてウイルスが原因なのにもかかわらず、念のために処方された抗生物質を飲んで、そうこうしているうちに自然治癒するため、実際効いて治ったように見えるのです。

こんなことを繰り返し繰り返し続けることで、世界的に耐性菌が問題になってきているのが現状です。そして、耐性菌による死亡例などが身近に起きることは少ないので、そのこと自体誰も気にしていない危ない状況だと言えるのではないでしょうか。

そんな中、アメリカの小児科学会や家庭医学学会では風邪での抗生物質の処方は明確に推奨されないと指摘していますし、日本でも厚生労働省が投与しないことを推奨していて、少しずつガイドラインに沿った処方がなされているそうです。

 

 

我が家でも処方されてしまった実例

 

実はヒメにも処方されました。経緯を簡単に説明すると、

①高熱(38度台)が出たその日に受診
→聴診器と問診と喉の視診だけで抗生物質が1日分だけ処方され、また次の日に受診するよう指示

②翌日、熱は治まったが指示通り受診
→熱は下がったものの喉が赤いということで、なんと「血液検査」!検査結果で細菌感染は否定されたものの昨日抗生物質を処方さているので引き続き3日分が処方される

個人的に、これはひどい診断だと思います。やるなら初日に血液検査をして、細菌感染でなければ抗生物質を処方しなければよいのです。重症化や二次感染が心配だったのかもしれませんが、まさに「念のため処方」そのものではないでしょうか。

親として、「このケースでは抗生物質が必要なのか」としっかり医師に聞いてみるべきでした。しかし、混雑する小児科医にそんなことを言って取り合ってもらえるのか、見下されて突き放されて終わりじゃないか、とも思います。

我々患者の立場から言わせてもらうと、お医者さんも玉石混交です。単に利益を追求しているとしか思えないような、こちらの話を聞いてくれない小児科医も実際にいます。(お医者さん選びがうまくいかず、カードゲームができるほど診察券を持っています・・・)

 

4 まとめ

 

claimこれまで、子ども風邪(もちろん我々大人も含め)に、安易に抗生物質が使われてきた歴史があります。その理由は、

・念のため
・親が欲するから

という理由です。

抗生物質は素晴らしい薬ですが、治る病気を治らなくして命を落とす危険を高める怖い薬でもあります。自分や自分の子どもはまだ大丈夫かもしれませんが、未来の子ども達を守るために、安易な抗生物質の処方はやめませんか

親として、「この症状の場合は抗生物質が必要なのですか?細菌に感染しているのですか?」と必ず聞きましょう。可能性があるから、という理由であれば断る勇気が必要です。現に不必要と学会も指摘していますし、何より耐性菌感染症によって命を脅かされる危険性すらありますから。

 

 

今回は、子どもの風邪と抗生物質の処方についてのお話でした。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 

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